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タヌキぼーやの能・狂言を見に行こう


「2007年 能楽基礎講座:鑑賞のヒント」を終えて

日時
2007(平成19)年05月12日(土),07月07日(土),09月08日(土)14:30-17:30(全3回)
会場
島根県民会館(島根県松江市殿町158)
第1回:206和室
第2回,第3回:第1多目的ホール
講師
槻宅聡(笛方森田流/島根県安来市出身)
内容
第1回:05月12日(土)
能の開演から終演まで:能楽堂の一日
第2回:07月07日(土)
能の台本=謡本の魅力
第3回:09月08日(土)
能の器楽:囃子の魅力
催しの記録
http://sanin-noh-kyogen.info/log/20070512.html

「松江・能を知る集い」の槻宅聡さんによる新しい講座のシリーズです.槻宅さんによると,「能を知る集い」が「能に関する知識はさて置き,まずは体を動かしてみよう」というワークショップなのに対し,「能楽基礎講座」は「知識を身につけることで,もっと能を楽しもう」という立場.「松江・能を知る集い」とは全く異なるアプローチで「能を知る」機会を企図したものでした(「松江・能を知る集い」は今後も継続する予定ですから,御安心を).そのへんの書店や図書館に出回っている入門書には出てこないお話もあったのではないでしょうか,私も一曲の能のハヤシゴトのパターンなんて,ほとんど知りませんでした.

私は,毎年の「松江・能を知る集い」と同様,「能楽基礎講座」でも広告のデザインを担当しましたが,なぜかガラにもなく,全3回,受付にも座っていました(笑).参加者の中には,私を県民会館の職員と思った方もいらっしゃるかも知れませんが,えー,組織の中では生きていけないフリーランスのグラフィック・デザイナーです,ハイ.

そんなワタクシゴトはどうでもよいのですが(笑),関係者として全3回に立ち会いまして,何と言っても印象深かったのは,参加者の層の厚さ.第1回と第2回ではそれぞれ後半に,参加者が5,6名ずつのグループになって,自己紹介したり,槻宅さんに質問したいことを出し合ったりする時間が設けられたのです.数十年にわたって謡曲や仕舞を習っている人から,まだ生で能を見たことがない人まで,ひとつの席で能の話ができました.

例えば,能楽師が師匠から謡曲の内容について事細かに教えを受けるわけではないということは,他の参加者から能楽師の修業過程について質問があって初めて知ることになりましたたし,講座の会場となった島根県民会館で2006年に初演された創作能「石見銀山(いわみぎんざん)」についても,私が持ち得なかった感想が出てきて実に新鮮でした(このときの「石見銀山」の話題については,書き出すと少し長くなりますから,機会を改めて書きます).

私自身グラフィック・デザイナーとして,あるいは「山陰の能・狂言を見に行く会」サイトの管理者や「松江・能を知る集い」実行委員のひとりとして,この地域の能・狂言をより面白いものにしようと行動する上で,能に関心を持つ人たちとお話ができるというのは,これから参考になることが少なくないかも知れません.

ところで,謡曲と謡本を取り上げた第2回で,「土蜘蛛(つちぐも)」の詞章を参加者が朗読する場面がありましたが.これを今後の「松江・能を知る集い」か「能楽基礎講座」で,じっくり時間をかけて取り組むのもよいのではないでしょうか.もともと私は謡曲を,古典文学全集などを通じて戯曲として受けとめて読んできたものですから,私と同じく謡の技術を持たない人に向けて,謡曲を通じて能を楽しむ方法に迫る機会を,いつか設けられたら,と思います.



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